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CosmicComplex (CC)

CosmicComplex は、複素数値関数

$$ G(\theta) = (x + i\theta)^d $$

(およびその拡張)を 値としてではなく構造として観測 するための実験用モジュールである。

本モジュールの目的は、複素和の内部に現れる

  • 項の支配構造
  • 位相(arg)の運動
  • 位相速度(位相微分)
  • 部分和の幾何(polygon)
  • 寄与率とエントロピー

可視化・数値化し、演算前後の変化(Motion)として比較可能にする ことにある。


1. 基本思想

1.1 回転は「与えない」、勝手に生まれる

CosmicComplex は

  • 三角関数(sin, cos)
  • 指数関数(exp(iθ))
  • 円周率 π

一切依存しない

それにもかかわらず、複素平面上では明確な「回転(位相)」と 「位相速度」が観測される。

これは回転が 解析的に注入されたものではなく、 複素数の加法・乗法という代数構造から 自発的(emergent)に生じる ことを示している。

π は位相の ラベル整理(unwrap) にのみ使われ、 構造定義そのものには関与しない。


2. モジュール構成

2.1 CosmicComplex クラス

cc = CosmicComplex(d=8, x=4.0, mode="even")

パラメータ

  • d : 次元(解像度)。偶数推奨。運用上は d = 2^n が扱いやすい
  • x : 実軸スケール
  • mode :
    • "any" : 制限なし
    • "even" : d を偶数に制限
    • "dyadic" : d = 2^n に制限

2.2 観測(Observation)

obs = cc.observe(theta)

1 点 θ において、以下を同時に取得する:

  • G : 複素値 (G(\theta))
  • terms[k] : 各項 (T_k(\theta))
  • abs_terms[k] : 各項の大きさ
  • contrib[k] : 寄与率
  • dominant_k : 支配項インデックス
  • partial_sums : 部分和多角形
  • arg : 位相
  • entropy : 寄与率エントロピー

2.3 位相速度(位相微分)

$$ \omega(\theta) = \frac{d}{d\theta} \arg G(\theta) $$

は、observe を θ グリッド上で評価し、

  1. arg を unwrap
  2. 数値微分

することで得られる。

これは 構造の回転慣性・安定性 を測る主要指標である。


3. 演算モノイドと Motion

CosmicComplex は「演算」をモノイドとして扱う。

3.1 Op(演算)

例:

  • ScaleX(a) : x のスケーリング
  • FlipTheta() : θ → −θ
  • ShiftTheta(t0) : θ シフト
  • ChangeD(d) : 次元変更

演算は合成可能:

op = FlipTheta().then(ScaleX(1.25))

3.2 Motion(演算前後差分)

motion = cc.motion(theta, op)
  • before / after の Observation
  • 差分:
    • ΔG
    • Δarg
    • 支配項遷移
    • Δentropy
    • 寄与率差分

を同時に記録する。

これは 構造の運動学的比較 を行うための中核機能である。


4. スケーリングと歪み(拡張予定)

本設計は π 非依存のため、以下の拡張が自然に可能:

  • 虚軸スケール変更 $$ G(\theta) = (x + i\alpha\theta)^d $$

  • 斜交化(直交破壊) $$ z = x + (\beta + i\alpha)\theta $$

これにより

  • 支配項階段の移動
  • 位相速度の変形
  • 部分和多角形の歪み

を系統的に観測できる。


5. 研究的背景(メモ)

  • 位相微分は $$ \frac{d}{d\theta}\arg G = \operatorname{Im}!\left(\frac{G'}{G}\right) $$

    に対応し、ζ関数の (\zeta'/\zeta) と同型の構造を持つ。

  • 本モジュールは

    • RH における「σ=1/2 の安定性」
    • OOL-KND(Only One Line Knows No Drift) の観測的検証のための 制御可能モデル として設計されている。

6. 注意

  • 本モジュールは証明器ではない
  • 観測・実験・構造理解のためのツールである
  • 数値結果は近似であり、解釈は慎重に行うこと

7. 最後に

CosmicComplex は

「複素解析を最小限まで剥がした状態で、位相と構造の運動を読むための計器」

である。